◆第3次万華鏡ブーム「カレイドスコープ・ルネッサンス」

 

アメリカで1960年代から70年代にかけてサイケデリックカルチャーの影響もあってか、
カレイドスコープを新しいアートとして、また人の心に癒しやインスピレーションをもたらすものとして再認識する動きが始まりブームとなりました。
1982年の「スミソニアマガジン」におけるカレイドスコープ特集記事によっても、さらにブームが生み出されました。

複数の鏡を組み合わせるという比較的単純な基本構造に木工、ガラス工芸などの様々な分野から色々な技術やアイディアが持ち込まれ、
その結果、カレイドスコープはより多様化され、洗練された大人のためのファンタジック・ツールとして発展しました。

◆「The Brewster Society」を設立したコージー・ベーカー女史

 

この流れを一過性のものに終わらせずに一つの文化として定着させるのに大きな貢献をしたのがコージー・ベーカー女史(Cozy Baker)です。
最愛の息子を事故で失い、失意の中で出会った万華鏡が、彼女に生きる力を与えたといいます。

ミセス・ベーカーは1985年に世界初の万華鏡の本「Through the Kaleidoscope」を出版。
同時にメリーランド州で世界初の大規模な万華鏡の展示会を開催しました。
万華鏡の展示会には来場者が約1ヶ月間に1万人以上を数え、万華鏡の世界を世の中に広く知らしめました。

またミセス・ベーカーはアメリカ中を探して万華鏡を売る店を訪ね、作家を探し、コレクターを訪ねながら、万華鏡に関る人々のネットワークを作りました。 
まだコンピューターやインターネットなどが一般的でないこの時代に、アナログ的に自分の足でネットワークを立ち上げ、
1986年万華鏡発明者ブリュースターの名から「The Brewster Society(ザ・ブリュースター・ソサエティー)」を創立して、作者、愛好家、業界関係者に、新作発表、情報交換、商談の場を提供しました。

こうして、イギリスで生まれたカレイドスコープは、アメリカで「カレイドスコープ・ルネッサンス」として再発展しました。
「The Brewster Society」によって確立されアメリカで新しい価値を持って生まれ変わったカレイドスコープは今もアート・工芸品として進化し続けています。

Cozy Baker

コージー・ベーカー
Cozy Baker

―万華鏡の歴史―

万華鏡の発明者≪デヴィッド・ブリュースター≫

ブリュースターの著書「THE KALEIDOSCOPE」

チャールズ・ブッシュによる第2次万華鏡ブーム

アメリカでの「カレイドスコープ・ルネッサンス」

日本の万華鏡の歴史